概要

概要

地域衛星通信ネットワーク(LASCOMネット)とは

地域衛星通信ネットワーク(LASCOMネット)は、①防災行政無線機能の拡充・強化、②行政情報の伝送、③地域からの情報発信を目的として構築された自営ネットワークです。

運営形態

このネットワークは、地方公共団体の共同事業という位置付けのもと、分担金及び基本料定額分(均等割)を都道府県、基本料割増分及び度数量(応益割)を都道府県・政令指定都市・一般市町村が負担し、その管理運営を行う目的をもって全都道府県の出損により設立された、一般財団法人自治体衛星通信機構(LASCOM、設立当時は財団法人)が管理を行う形で運営されています。

地域衛星通信ネットワークの全体構成
地域衛星通信ネットワークの全体構成

LASCOMネットの特徴

LASCOMネットは、赤道上空約3万6千kmを、地球の自転速度と同じ速度で周回する静止衛星(スーパーバードB3号機)を介して、地方公共団体間の音声、データあるいは映像の伝送を行うシステムです。また回線設定が容易で、しかも災害に強いという特徴を持っています。

事業の実施経緯

1980年代後半、国(自治省、消防庁)及び一部の都道府県において、都道府県防災行政無線(地上系)の課題を克服する観点から、衛星通信を利用した防災ネットワークが検討される過程で、平成元年(1989年)、自治省から地方公共団体における防災情報通信機能の拡充・高度化、地域情報化を目的とした、通信衛星の共同利用構想(地域衛星通信ネットワーク整備構想)が打ち出されたことを踏まえ、全国知事会において、同構想の推進が決議されました。

平成2年(1990年)2月に、ネットワークを管理運営する法人として、「財団法人 自治体衛星通信機構」が設立され、運用に向けた管制局等の施設整備ののち、平成3年(1991年)12月からネットワークの運用が開始されました。

LASCOMネットの政策的位置付け

LASCOMネットは、都道府県と市町村を結ぶ都道府県防災行政無線(衛星系)として位置付けられています。
都道府県防災行政無線は、中央省庁間を結ぶ中央防災無線や、消防庁と都道府県を結ぶ消防防災無線と同様、地上系通信網とそれを拡充補完する衛星系通信網から構成されており、これらの通信網や市町村と住民とを結ぶ市町村防災行政無線と連携して、我が国の公的な防災通信の柱となっています。
そのほか、一部の県では、総合行政ネットワーク(LGWAN)と住民基本台帳ネットワークについて、地上系通信網の整備が難しい一部地域において、LASCOMネットを利用した運用を行っています。

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図1 防災用無線としての位置づけ
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図2 都道府県防災行政無線として